映画観たよ 2022/01/22

やあみんな。映画観たよ。

今日観たのは「ヒル妖怪ハンター」「メランコリック」「ドント・ルック・アップ」「レディ・ガイ」の4本。サブスク最高やでしかし。

 

ヒル妖怪ハンター」1991年公開

夏休み!学校!行方不明のアノ子(月島)と親父(竹中直人)は駆け落ち!?ひと夏の青春を描いた作品。嘘です。無理に恋愛映画にしようと思えば死別系失恋映画ですな。違うけど。それにしても恋愛映画って「ひと夏の恋!」させ過ぎよね。セミじゃないんぞ。

主演は沢田研二と工藤正貴。沢田研二は「太陽を盗んだ男(1979)」では理科の教師であったが今回は妖怪を信じる考古学者。忙しいな。情けないが妙に冷静な沢田研二とエネルギッシュな工藤正貴のコンビが、沢田研二自作の妖怪対策グッズで妖怪に立ち向かう姿は悲壮感というか緊迫感の中にコミカルさもあってまたええんやこれが。

  • ヒルコ(妖怪か?)の造形が蜘蛛か蟹かみたいな手足が生えた造形(「遊星からの物体X」に出てきそう)が非常に気持ち悪く、質感がキモくて非常にいい。怖いというか不気味さ・気持ち悪さが大きい。
  • 人が死ぬ際は必ず首が落とされるが、毎回やけに鮮血が噴き出す。スプラッター映画のような悪さがあるが、緊張感がある中にテンポがよく流されるためそんなに鬱陶しい感じはない。
  • 小道具の妖怪探知機がまた良い。鍋や配線と赤色の回転灯を組み合わせただけだが、作動した際のわざとらしい音と赤い光がヤバい感じをいっそう盛り上げてくれる。これは素晴らしい。でも電源を入れてないと…。草。
  • 最強アイテムキンチョール。これはご家庭に1本マストなアイテムですわ。
  • 古事記を暗記してたり原爆作ったりと本当に博識だな。
  • 緊張感がある中にギャグを挟みすぎ感はある。いくらテンポがよくてスピーディでも、1連の流れの中で3つも4つもされると流石にしつこいかも。好きやけどな。
  • 工藤正貴の背中に劇中で命を落とした人の顔がでるやつめっちゃ痛そう。湿布の下から出てくる笑顔の竹中直人は笑ってしまう。そのあとに好きな子の方の湿布は剥がされるのを拒んだのは、死んだことを認めたくないとか、見せたくないとか色々な感情からか。悲しい。
  • ↑「命を落とした人の顔が浮かび上がる」ということは劇中では最初の最初から好きな子と竹中直人は既に生きていなかったことになる。それを踏まえてもう1度少年と少女のやり取りを見ると悲しい。
  • 命を落としたものの、ギリギリのところで理性を保っている血色の悪い竹中直人。彼は傷付き苦しみながらヒルコを堰き止め主人公たちを庇ってくれる。がしかし演技がふざけているようにしか見えんのがミソ。これが気持ち悪い頃の竹中直人ってやつか。
  • 友人を手にかけ、主人公たちもしこたま殺しにかかっていた月島が最後の最後に助けようとするのはちょっと納得がいかんかな…。他の友人たちは新鮮な死体だからギリギリ理性があったとしても。というか月島と同時に命を落としたであろう竹中直人の強靭な精神力たるや。深く考えるな。

全体的にテンポよくスピーディで、上映時間も90分とダレることもなくいい映画。カルト映画だとかクソ映画だとかいう評価はレビュー読んだだけって奴の評価じゃないかな。好き嫌いは分かれる映画ではある。

やけに血色の悪い竹中直人が見られるのはこの映画だけ!

 

「メランコリック」2019年公開

東大卒を卒業したものの、定職に就かずアルバイトを転々としている主人公鍋岡和彦(皆川暢二)。ある日、たまたま行った銭湯で高校時代の女友達の副島百合(吉田芽吹)に出会い人生の転機が訪れる。ラブストーリー?違います。ややあってその銭湯でバイトすることになった主人公。しかしそこは暴力団の死体処理場だった!怖い!店長に昼間に聞いた時は「世の中には知らん方がいいこともあるんだよ…。ナンチャッテ!」と茶化されたが、やることやってんな。店長。それを目撃してしまった主人公は秘密の共有ということで死体処理を手伝い、ズブズブと裏の仕事に関わっていくことになる。

  • 皆川暢二の演技力か演出の力かなんなのか、コミュ障の表現が凄まじい。俺もこういう緊張感の中で生きているなと思ったし、何度も「お前は俺だ…。」ってなったし見ていてつらかった。会話のたびに行動のたびに辛くなる。
  • それでヒロインがすごいんよ。ずっと美人局的なサムシングかと思ってたけど、別にそんなことはなく俺のような童貞を受け入れてくれる。女神。女神ですよ。この映画の中の唯一のオアシス。
  • 同じ銭湯で一緒に働くバイト仲間の松本晃(磯崎義知)もいい。彼は最初チャラチャラした軽くて鬱陶しい同僚って感じだけど、実は裏では殺しの仕事をしている。自身も銭湯の掃除をしており、大変さを知っている故になるべく汚さないように殺すなど気遣いができる。和彦と仲良くなっているうちに好きになってしまうキャラクター。
  • 風呂場で死体処理って考えたな。血を大量の水で流せて、ボイラーの高火力で焼いてしまう。そんなこと考えたこともなかったぜ。しかも営業時間外の夜間なら誰かが来る心配もない。賢い。
  • クソネタバレだけど、最後にヒロインが「水道代・電気代・ガス代を払えてなくて結構よく来るんだ。」と自信が意外とズボラであるという告白。と、ここまで説明されてやっと、生活に欠かせないインフラを贅沢に3つも使って成り立つ風呂で殺人及び死体処理を行うという「生と死」の対比であることに気が付いた。ちょっと悔しかった。
  • ヤクザ殺してハッピーエンドは無理でしょ?と思っていたら、主人公はラストに意味深なことを言う。覚悟ができているかどうかなんて俺には分からんけど、この後もずっと幸せになれるかどうかは…どうやろね?って終わり方。好き。

これ以上はやめ。どうせなら見てほしい。

 

「ドント・ルック・アップ(Don't Look Up)」

2021年12月公開で、これはまだ公開中の劇場もあるらしいからノータッチで。

スロウタイ&Mura Masaの「Doorman」が一瞬だけ流れるよ。

 

レディ・ガイ(The Assignment)」2016年公開

主演はミシェル・ロドリゲス。男のミシェル・ロドリゲスが天才的な整形技師?のシガニー・ウィーバーに無理やり性転換させられ、女性にされてしまったことに怒り報復する映画。それだけ。ミシェル・ロドリゲスが元々男だったら!?っていう中学生みたいな発想は嫌いじゃないよ。すきでもないけどね。

  • 1番の見どころはミシェル・ロドリゲスの惜しみないヘアヌード。正直それくらい。
  • がっつりアクションじゃないんかよ。フランク・“キッチン”という名前だから「ようクソ共。これからフランク・キッチンの血みどろ3分クッキングが始まるぜ。」みたいなのを期待していたのにそうはならんかった。
  • 無双にならんように「女性ホルモンを摂取しないと体が崩壊する」という設定。筋力が落ちたりとかあるみたい。本当かよ。しかもそれを解決するのが銃。以上。

シガニー・ウィーバーの「私が女だったから…!」発言から、男女差別とかジェンダー問題とか、男女の性差に関わることをテーマにしたかったのかもしれんけどちょっとな…それもあってギャグじゃなくてシリアス系になったんかもしれんが…。「ミシェル・ロドリゲスが元々男だったら!?」っていう中学生みたいな妄想する時点でそういうことは考えたらいかんやろ。

これがアクションものではなくサスペンスもので、ラストシーンにでっかいどんでん返しでシガニー・ウィーバーにはミシェル・ロドリゲスから移植したチ◯ポが生えてました!!っていうオチならよかったのになと思いました。